大聖堂広場の人々。

Christchurch, New Zealand

 

初めての海外、ワーキングホリデービザでニュージーランド(4)

語学学校やホームステイに少しづつ慣れ、そして大聖堂広場で帽子を前に置き投げ銭をもらい演奏するスタイル " バスキング " にも慣れてきた頃には、広場を通ると「今日はやらないの?」とフルーツの屋台を出しているおじさんや地元の人に声をかけてもらえるようになっていました。

天気の良い日に一時間ほどオカリナを吹いたり、中華やタイ料理の屋台のフライドライスや、ギリシャのケバブを買い友人達と広場のベンチでゆっくり過ごすのが本当に楽しかった。

その頃(90年代前半)の広場でいつも見かける有名人(?)が数名いて、演説のウィザードさん、広場の端の銀行の前でいつもいつもバイオリンを弾いているおじいさん、それから一輪車でやって来てジャグリングをしているサグラさん。どの人も日本でだったら「何やってる人なのかしら」「生活はどうしているのかしら」などと詮索され “変わった人扱い” されるであろうところですが、そこではそういう人がいるのも当たり前、興味のある人は見て、聞いていくし、興味がなくても邪魔にしたりからかったりすることもなくただ通り過ぎるだけ。好きではなくても「そんな人もいるよね」と受け入れている空気がとても気持ち良くて過ごしやすかったのです。

そういう場所だったから、私も本当にいつも気持ち良くバスキングをすることができていました。地元の人との交流もでき、加えて、同じくワーキングホリデーや旅行で来ている日本人達とも仲良くなれるきっかけになっていました。

こうやって綴りながら、色々忘れていたことまで思い出し、胸がいっぱいになります。私にとってクライストチャーチは、宝物のような思い出のたくさん詰まった特別な場所です。

※ 写真は、大聖堂広場ではなく、秋の日のアートセンターです。