プランバナン遺跡
[インドネシア 3 ]
インドネシアのジャカルタに着いた翌日にはジョグジャカルタに向かいました。
鉄道で移動するため駅へ移動。宿から駅までは歩くとそれなりの距離があったはずですが、若かった私は少々の距離なら歩こうと、バックパックを背負って歩きました。はっきりとは覚えていませんが、疲れるほどの距離ではなかったように思います。
距離よりも、反対車線側にもう駅が見えているところまで来て、渡らなければいけないのは大きな車道で、見える範囲には横断歩道も歩道橋もなく、それなりの頻度で車も通っていて渡るタイミングがつかめないことに困りました。バックパックを背負っているのでそんなに俊敏な動きもできないし、焦っていたと思います。
しばらく右往左往していたら右側からきた大きなトラックがそばで止まりました。
「後ろの車を止めとくから渡りな!」
と、わざと後続車に邪魔になるように止まってくれたのです。そして、対向車線を走ってくる車と車の間に十分な距離のあるタイミングを見計らって、
「今だよ!行け行け!」と。
「ありがとう!!」と、文字通り弾むような気持ちでいっぱいになったことを覚えています。
おじちゃんだったか、お兄ちゃんだったかはもう覚えていないのですが、インドネシア到着の翌日、旅のスタートの日にこんなに嬉しい思い出をありがとう。きっと今も元気でいらっしゃいますように。ちょっとしたこと、なのかもしれないけれど、そのおかげでその国が好きになり、旅の思い出が豊かになり、思い出すたびに嬉しく懐かしく、切なくなります。