ラダック3日目、トレッキング始まりの日(2)

無理しないようにとゆっくりゆっくり歩みを進め、高低差は少ないとはいえ、のぼりが続いた先にタルチョが見えるとなんとも嬉しく、ほっとします。

峠に必ずあるタルチョ

日本で身近に見る風景とは全く違う岩と土ばかりの風景。草一本生えていないかのように見えて、岩の影などで風から身を守るようにして草花が生きています。同じ花を何度見かけてもかわいくて、その度に立ち止まって写真を撮ってしまいます。そんなふうだから無理をするも何も、ゆっくりしか進まない。

地元の人にとっては見慣れている風景、ときにはとても厳しい苦しい環境なのだと思うのですが、旅行者の私、それも子供の頃からチベットに惹かれチベット文化圏に焦がれている私にとっては、そんな土地に自分の足で立っているのだいう事実が嬉しくて仕方がない。

近く遠くの山肌を、そしてそこに落ちる雲の影や差している光を見ながら歩きます。どうかするとこの岩肌が一気に崩れたりもするのだろうな、などとよからぬこともちらりと考えたりしつつ、それでも心は軽く嬉しく前に進むのです。